「立ち上がるのがつらい」「歩くのが遅くなった」——その変化には理由があります
筋肉は20代をピークに少しずつ衰えていきます。しかし「筋肉量」と「筋力(力を出す能力)」では、減り方のスピードが違うことをご存じでしょうか。年代別のデータをもとに、水口・甲賀市のジムトレーナーがわかりやすく解説します。
- 筋力は筋肉量より早く、大きく低下します。20代を100%とすると、80代では筋肉量が約65%、筋力は約50%まで下がる可能性があります。
- 特に「脚(下肢)」の衰えが顕著です。歩く・階段を上る・立ち上がる・転ばないといった、毎日の動作に直結します。
- でも、対策はシンプルです。30分・週2〜3回の筋トレで、低下のスピードはゆるやかにできます。何歳から始めても遅くありません。
「筋肉量」と「筋力」は同じではない
「筋肉が落ちる」と聞くと、多くの方が「筋肉のかさ(筋肉量)が減ること」をイメージされます。もちろんそれも事実なのですが、見落とされがちな重要な点があります。
それは、「力を出す能力(筋力)」は、筋肉量そのものよりも早く、大きく低下するという事実です。
アメリカの大規模研究「Health ABC研究」では、70〜79歳の高齢者で、脚の筋力の低下が、脚の筋肉量(除脂肪量)の低下を上回ることが報告されています。つまり「筋肉が同じだけ残っていても、出せる力はそれ以上に落ちてしまう」ということです。
その背景には、筋肉のかさだけでなく、神経と筋肉の連携、すばやく強い力を出す「速筋線維」の減少、筋肉内に脂肪が混じってくる変化など、いくつもの要因が関わっています。だからこそ、「筋肉量を保つ」だけでなく、「力を出す力」を意識して鍛えることが大切なのです。
20代を100%とした年代別の変化
まずは全身で見てみましょう。下のグラフは、20代の筋肉量・筋力を100%としたときに、各年代でどの程度まで低下するかを示した目安です。
グラフを見ると、筋肉量(青)はゆるやかに、筋力(金)はそれより急に下がっていくのがわかります。年代ごとのポイントを整理します。
- 30代:大きな低下はまだ少ないものの、運動習慣がない場合は筋力の低下が始まり得ます。
- 40代:低下が見え始める時期。日本人の握力データでは、10年で約10%の低下が示されています。
- 50代:筋力の低下がやや明確に。将来の衰えを「予防」できる最も重要な時期です。
- 60代以降:低下が加速しやすく、特に脚への影響が出やすくなります。
特に注意したい「脚(下肢)」の衰え
加齢による筋肉の減少は、全身で均等に進むわけではありません。研究では「部位ごとに進み方が違う(部位特異的)」ことがわかっており、特に太ももの前側(大腿四頭筋)などで目立つとされています。
つまり、私たちが立ったり歩いたりするのに最も使う脚の筋肉ほど、衰えやすいのです。下のグラフは、下肢(脚)に限定したときの変化です。
全身よりも下げ幅が大きいことがわかります。80代では、下肢の筋肉量が約58%、下肢の筋力にいたっては若い頃の半分以下(約42%)まで落ちる可能性があります。
さらに、70代以降の脚の筋力は1年あたり約2.6〜4.1%のペースで低下するという報告もあります(Health ABC研究)。脚の筋力が落ちると、歩くスピードが遅くなったり、階段や立ち上がりがつらくなったり、転倒のリスクが高まったりと、毎日の生活の質に直結します。
「最近つまずきやすくなった」「椅子から立つときに手をつくようになった」——これらは脚の筋力低下のサインかもしれません。逆に言えば、脚の筋肉は鍛えた効果が出やすい場所でもあります。スクワットのような大きな動きを正しく行うだけで、毎日の動きが軽くなる方は多いですよ。
Anchor Life Fitness 貴生川店 オーナートレーナー/大島 逸生(NSCA-CSCS・健康運動指導士)
50〜60代こそ筋トレが将来を分ける理由
「もう年だから」とあきらめてしまう方もいますが、それはとてももったいないことです。筋肉は何歳から始めても、適切に刺激すれば応えてくれる組織です。低下のスピードをゆるやかにし、生活に必要な力を保つことは十分に可能です。
加齢にともなう筋肉の衰え(サルコペニア)について、ヨーロッパの専門家会議(EWGSOP2, 2019年)は、診断の最初の手がかりとして筋肉量よりも「筋力の低下」を重視しています。これは、力を出す能力こそが日常生活の自立に直結するためです。
だからこそ、ウォーキングなどの有酸素運動に加えて、「力を出す力」を保つための筋力トレーニングが重要になります。
当ジムが大切にしているのは「30分の運動で30年の健康を」というコンセプトです。長時間・高頻度でなくても構いません。1回30分・週2〜3回のトレーニングを続けるだけで、年齢に負けない体づくりは始められます。大切なのは「強さ」よりも「続けられること」です。
Anchor Life Fitnessでできること
とはいえ、「正しいやり方がわからない」「一人だと続かない」という不安はつきものです。水口・甲賀市のフィットネスジム Anchor Life Fitness 貴生川店では、初めての方でも無理なく続けられる仕組みをご用意しています。
- 1イタリア製テクノジムのマシン:画面が使用重量・回数・可動域までガイドしてくれるので、初心者でも迷わず安全に脚やお尻の筋肉を鍛えられます。
- 2達成度に応じた段階的な負荷アップ:いきなり頑張りすぎず、あなたの進み具合に合わせて少しずつステップアップします。
- 3データの見える化:体重やトレーニング内容を記録・管理し、「続けてきた成果」を実感しやすくします。
- 4医療と連携した運動プログラム:健康診断の結果が気になる方にも、お一人おひとりの状態に配慮したサポートを行います。
- 5初回トレーニングサポート:スタッフが必ず付き添うので、運動が久しぶりの方もご安心ください。
料金は月額7,980円の通い放題(1プランのみ・税込)。半年継続率は85%と、多くの方が無理なく習慣にできています。
まとめ
- 筋力は筋肉量より早く・大きく低下する。80代では筋肉量が約65%、筋力は約50%が目安。
- 特に脚(下肢)の衰えが大きく、歩行・立ち上がり・転倒予防に直結する。
- 50〜60代は予防に最適な時期。30分・週2〜3回の筋トレで低下はゆるやかにできる。
- 大切なのは「強さ」より「続けられること」。一人で頑張らず、仕組みを使うのが近道。
参考文献
- Volpi E, et al. Muscle tissue changes with aging. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2004;7(4):405-410.
- Goodpaster BH, et al. The loss of skeletal muscle strength, mass, and quality in older adults: The Health, Aging and Body Composition Study. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2006;61(10):1059-1064.
- Kozakai R, et al. Sex-differences in age-related grip strength decline: A 10-year longitudinal study of community-living middle-aged and older Japanese. J Phys Fit Sports Med. 2016;5(1):87-94.
- Cruz-Jentoft AJ, et al. Sarcopenia: revised European consensus on definition and diagnosis (EWGSOP2). Age Ageing. 2019;48(1):16-31.
- Abe T, et al. Age-related, site-specific muscle loss in 1507 Japanese men and women aged 20 to 95 years. J Sports Sci Med. 2011;10:145-150.
年齢に負けない脚と体を、今日から。
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